書いてる途中で数字がわからなかったら「○%」と伏せ字にして書き切る

『10倍速く書ける 超スピード文章術』を読みました。速く書けるようになりたくて。1日1万字くらい書きたい(いまだと5000字くらいが限界)。

著者の上坂さんは5日で本1冊分を書き終えるらしい。本の中でも自分が書いた文章を例に出し「30分で書きました」とちょいちょい書き添えてあって、ぬぅ速い……となる。

10倍速く書ける 超スピード文章術

10倍速く書ける 超スピード文章術

 

速く書ける秘訣をいろいろと教えてくれるのだけど、単純に「書く」作業が短時間である代わりに、書く前の「素材を集める」ターンに時間をかけている印象。材料を集めに集め、並べ替えて構成し、そこから一気に書く。書いてる間は余計なことを考えず、最終的なアウトプットに徹するので、「書く」時間にだけ着目すると速い。なるほど。

もう一つ「あぁ……」と思ったのが、書いてる最中は粗くてもいいから手を止めないこと。多少の誤字もおかまいなし。表現に納得がいかなくても最後まで書き切って、あとからみっちり推敲する。書いている途中で数字(西暦とか生産量とか比率とか)が必要になったときは、その場で調べずに「○年」「○%」などと伏せ字にして、書き終わってから調べるらしい。これ、確かに有効だろうなぁと思うのは、書いてる途中にネットで調べ物すると余計なものまで見ちゃって、原稿に帰ってくるのに時間がかかるし、書いてる最中のドライブ感をもう一回取り戻すのが手間になっちゃうから。

言わば「書く」という「シングルタスク」に徹する、ということ。原稿のかたわら、メールに返事したりTwitterでシェアしたりFacebookにコメント返したり、と「マルチタスク」をこなすとすごい仕事した気になるけど、結局は効率が落ちちゃう。シングルタスクにして、一つの仕事を終わらせることに集中すべき。これは年末に読んだ『ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250』でも言ってたなー。 

デスクトップに何も置かないとか、テキストエディタやWordを全画面にするとか、視界に入るものを最小限にして「書く」に集中させるのがいいのかも。構成案などはプリントアウトして紙にして参照すれば、ウィンドウを切り替える手間もないし、うっかり途中でネットを見たりも防げる(はず)。とにかく一気に書き終わろう。そうしようそうしよう。

ベストセラーあるある

『ベストセラーコード』を読みました。テキストマイニングを用いてコンピュータに「この小説はベストセラーになるかならないか」を予測させるモデルを作った話。予想は8割方当たるらしいし、1冊ごとに「ベストセラーになる確率」も出せるそう。すごい。

ベストセラーコード

ベストセラーコード

 

ニューヨークタイムズのベストセラーリストから500冊と、そうでもない小説4500冊から、このモデルを作ったそうで、

  • ベストセラーがとりあげるテーマは宇宙とかファンタジーとかじゃなくて、家庭とか仕事と人間関係とかになりがち。
  • 感情を表す単語を追うと、ベストセラーは規則正しい感情の起伏がみられがち。
  • ベストセラーの主人公は必ず何かを必要として(need)何かを欲しがち(want)

などなど、テキストデータを解析して「ベストセラーあるある」がいろいろ出てくるのが楽しい。

なかでも印象深かったのは文体の話。ベストセラーは感嘆符(!)をあまり使わず、can notではなくcan’tといった略称をつかい、言い回しはとてもシンプルだという。

逆を考えればすごく当たり前で、「!」ばっかりの文章はうざったいし(「なんと!そこには!いるはずのない彼女の姿が!」とか)、格調高い文章にしようと表現をこねくり回されると読みづらい。言葉はシンプルにし、感情は登場人物の行動で表現するとスマートだ。そりゃぁそうじゃん、という話なのだけど、それがきちんと「データ」で出ているのが興味深い。業界の偉い人の経験則でなくて、ベストセラーを分析すると確かにそうなってるのだ。

テクノロジーによって「証拠」がきちんと揃うのが面白いなぁ、と思う。日本の小説でも誰か解析してくれないかな。

おみくじをかくしごと

初詣でおみくじを引いた。末吉だった。

ライターをやっていると「そんなところにもライター仕事が!」みたいな仕事をたまに請けることがあって、常々「活字あるところにライターあり」だと感じている。となると「おみくじの文面を考えるライター」もいるんじゃないかな……と末吉を見ながら思った。

いや、もちろん神様のお言葉である。元々の言いたいことは、こう、なんだ、神主的な人が「このおみくじを引いた人はね、争いはもう、ガンガンいこうぜみたいな感じ」とか決めているのかもしれない。なんか燃やしながら薄目で言ってそう。

でもおみくじに「争事 ガンガンいこうぜ」とは書けない。「おみくじっぽい感じでお願いします/1行 10文字」とか指定があるなかで、「ガンガンいこうぜ」を「争事 勝機あり強気でよし」みたいに変換する人がいるんじゃないのかな……。

もっとゆるい発注元だと「MAXいい感じから全然ダメな感じまで、大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶の6段階でお願いします」とか言われるかもしれない。いやこれ難しいんじゃないの。試しに失物を6段階で書いてみる。

  • 大吉:出る
  • 吉:近くにあり
  • 中吉:忘れたころに出る
  • 小吉:よく探せ
  • 末吉:出にくい 信心
  • 凶:あきらめなさい

大変。もちろんおみくじは6枚だけじゃないので、6段階×8パターンとか書くのだろう。大変だ。ある程度書けたら型とかできるのかなぁ。

なにはともあれ2018年もよろしくお願いします。

雨が降ってないのが普通の世界だから降水確率

「降水確率」って、「雨が降ってないのが普通」の世界の数字だ。

 雨が降ってないのが普通だから、いつ雨が降るか気になる。気になるから「雨が降る確率」が必要になる。逆に、雨がずっと降っているのが普通の世界だったら、いつ晴れるのか気になるから、「晴天確率」を教えてくれるようになるはずだ。

こういう、知らぬ間に基準をひとつ決められてる数字って他にもありそう。仕事についてるのが普通だから「就業率」を出すんじゃなくて「失業率」を出してるとか。

あと毎日残業してるから「ノー残業デー」があるのであって、毎日の残業もノー残業デーも無い世界になったらあえて「残業デー」ができるのかな。…と思ったけど、そんな世界なら毎日早く帰るなと思ったりした。

パワポカラオケ選手権 東京大会に出ます(2017/10/21)

パワポカラオケ」という超ドMな競技がありまして、今週土曜日にその選手権に出場することになりました。ただいま絶賛観覧募集中です!(詳細は記事の最後に)

 

カラオケ、と言っても歌うわけではなく、「くじ引きで決まったテーマに沿って、その場で出てくるパワポに合わせて即興でプレゼンする」というもの。

テーマがわかるのはプレゼンの直前だし、どんなスライドが出てくるか全然分かりません。新垣結衣の出生について話し出したのにキャベツ畑とか出てくる。トークパワポが全然合ってないところ、即興でカバーして最後のスライドまでたどり着かないといけない(新垣結衣のときは「畑で生まれたと聞いています」で続けた)

会場ってどんな空気なの……?というのは、デイリーポータルZでmegayaさんが書いたレポが空気感がとてもよく再現してくれているのでオススメです。

portal.nifty.com

 

パワポカラオケ選手権で舞台に立つのは今回で5回目。一番ちゃんと出来たかな……という時のプレゼンはこんな感じでした。テーマは「臨時ニュース」(去年の夏のG1で優勝したとき)

 

 

もう毎回舞台袖での緊張感が半端ない。「誰だよこんなのやるって言ったの」って思うんだけど、自分でやるって言って申し込んでる。八方塞がりだ。誰も攻められない。

特に前回と前々回は、くじ引きで決めた出順で2回ともトップバッターだったんですよ。ただでさえ先行きが見えない競技をお客さんの前で一発目にやる緊張感よ。怖いったらありゃしないですよ。

 

で、今回の出順のくじ引きの様子がね、先日Youtubeにアップされたんですよ。主催のセミキノコの青木さんがお手製のくじを引いたんですよ。

 

youtu.be

 

トップかい!!!!

 

このブログで初めて文字をデカくしましたよ。青木さん「井上さん、前半の出順が多い気がしますね」じゃないんですよ、3大会連続トップバッターですよ!!

もー怖いわーいややわー。Youtube見終わったあとコップの水を一杯飲んだけど全然落ち着かなかったー。いやぁぁぁ。

というわけで、より一層苦悩する井上を見たい方、10/21(土)に中野富士見町でお待ちしています。というか、他の出場選手の顔ぶれも猛者ばっかり(全14名)で、こりゃ面白い大会になる予感。早々と終わって皆さんのプレゼンを楽しもう。そうしようそうしよう。

 

【全NIPPONパワポカラオケ選手権OP戦(東京)】
2017年10月21日(土)
■会場…中野富士見町ザ☆キッチンNAKANO
(東京都中野区弥生町5-20-1弥生町ユニオンビル6F)
■OPEN…17:30
■START…18:00
■料金…前売1,700円/当日2,000円
(全NIPPONパワポカラオケ協会アカウントフォロー割200円/学生割引200円)
■MC…セミキノコ(瀬戸口俊介、青木竜也)
■主催…全NIPPONパワポカラオケ協会
予約フォーム→全NIPPONパワポカラオケ選手権 観覧予約フォーム

 

パワポカラオケ選手権は名古屋と大阪でも行われていて、優勝者は年末にチャンピオン大会もあるみたい。行きたいけどトップつらいなー。トップいやぁぁぁ。