3時間アトラクション

人間ドックを受けてきた。

健康診断の類はフリーランスなので全部自費なのだけど、健保の補助もあるし、なにより何か見つかるなら早いほうがいい。それが家族のためでもあるのだ…と強い決意でバリウムを飲んだのだった。

いま勢いでバリウムの話をしたけど、胃のX線検査はラストに用意されていた。採血、身長体重、心電図、超音波検査などもろもろこなしたあと、バリウムを飲んで身体をぐるぐる回される。まさにフィナーレにふさわしいアトラクションである。

すっかり体力を消耗し、バリウムを出すための下剤を飲み、人間ドックはおしまい。結果を医師から聞くことになっているのだが、それは3時間後なので、それまで外に出てまた来てくださいと言われる。はーい、と素直に従うものの、施設を出てふと気がついた。

下剤を飲んだ状態で3時間街をぶらつく……

  こんなスリリングなことがあるだろうか。いつなんどき下剤が発動するかわからない。どこかのお店でお茶を飲んでるときに発動しても、その店のトイレが空いている保証はない。まして歩いている最中とかどうなってしまうのか。

いつタイムリミットがくるのかわからない街ブラ。膨らみ続ける風船をパスしていって割れた人が負け、みたいなゲームを一人でやってるみたいなスリル。

ハラハラしながら、なにかと店舗が多かろう横浜駅方面に向かい、結論から言うと駅ビルでことなきを得た。危なかった。ここまでがフィナーレのアトラクションに含まれていたのかもしれない。