わんこそば 1on1

そういえばこの夏、大人になってから初めてわんこそばを食べた。盛岡の「東家」というお店。

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記録は101杯。

 

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100杯を越えると証明書ももらえた。

 

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あんなにお椀があると圧巻だし、後片付けとか大変では……とか心配になるし、自分が大食いチャンピオンになったような錯覚にも陥るが、実際のところわんこそばのお椀に入る蕎麦はほんの一口である。15杯で一人前らしい。

大食い大会でイメージするわんこそばって、選手一人に蕎麦をつぎたす人が一人ついて、食べては足し食べては足しの永久機関の画なのだけど、実際にお店でわんこそばを食べるとおぼん1枚につき15杯のお椀が乗っていて、おぼんが空になると「少々お待ちください〜」と店員さんが補充しに戻ってしまう。蕎麦食べる→待機→蕎麦食べる→待機の繰り返しだった。そりゃそうか。

しかも、お店にはうちの家族&両親&妹一家の大所帯でいったので、最初は客5人に対して店員さん1人が蕎麦を継ぎ足していた。つまり15÷3なので、客1人に対して蕎麦が3杯継ぎ足されたら待機である。ツルッ、ツルッ、ツルッ。待機……。ツルッ、ツルッ、ツルッ。待機……だった。わんこそば、思ったより待つ。

蕎麦は美味しいので、待ってる間にもっと食べたくなる。もっと食べたくなるけど3口で終わってしまう。物足りぬ……普通に食べたい……とすら思う。忙しい現代、こんなに蕎麦に思いを馳せる時間があっただろうか。わんこそばは蕎麦のことを考える時間も込みのイベントだったのか。味に飽きないように、その都度薬味を変えてみてるトライ&エラーも楽しい。

しかしそんなのんびりした時間も、一人また一人と満腹で脱落すると話が変わってくる。

1ターン3杯で終わっていた蕎麦が、1ターン4杯になり5杯になり、遂に僕だけが生き残って、15杯の蕎麦が連続で継ぎ足されるに至った。蕎麦をかきこんでいると、後ろの店員さんが次のお椀を持って待っている。これTVチャンピオンで見た!と、この問題進研ゼミで見た!みたいな気分になる。

で、まだまだ蕎麦は食べられたのだけど、この「1on1」のシチュエーションがツラくなってきた。食べているあいだ、ずっと後ろで待たれてるのである。そういう仕組みのイベントなのだけど、なんだか急かされているようで、いま食べますから食べますからと内心とても焦る。やめよう。そろそろやめよう。で、101杯でやめた。満腹よりもプレッシャーに負けた。

 

「知らない人がずっと後ろに付いている」というイベント、そういえばわんこそば以外に無いんじゃないか。他のイベントでも知らない人を後ろに付けたら新しい扉が開くんじゃないか。飲み放題の居酒屋でずっと店員がビールを持って待ってるの。UNOでドロー4出されたとき後ろの人が無言で4枚くれるの。