うっかりセレブ

取材で新潟県糸魚川に行ってきた。

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糸魚川は「ひすい」の街らしく、あちこちにひすいモチーフのものがある。

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夜に散歩してたら天然記念物の巨大なひすいの原石があった。デカい。付近を流れる青海川にひすい集積地があるらしい。

この集積地、いまは天然記念物に指定されているので、勝手に石を取ったりしてはいけない。だからひすいドリームとかはない。「結局スコップを売った奴が一番儲かった」的なゴールドラッシュみたいなエピソードとかない。

 

だが「いまは」である。

 

現地の方によると、昔はその辺の人が石を持っていってたらしい。

持っていってどうしたかというと、漬物石にしていたそうだ。

ひすいといえば鮮やかなエメラルドグリーンを思い浮かべるが、原石は灰褐色。比重が高いため、小さい割りに重い。

つまり「見た目は普通の重い石」。漬物石には持ってこい。

うっかり宝石で漬物を作っていたのだ。

「ちょうど重たい石があったの」と宝石を持ってくるのである。とんだセレブだろう。

世が世なら「ひすいで漬かった漬物は輝きが違います!」と商売気を出すところだったと思う。

そして別に何の石でも漬物は漬かる。漬物はぶれない。

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わんこそば 1on1

そういえばこの夏、大人になってから初めてわんこそばを食べた。盛岡の「東家」というお店。

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記録は101杯。

 

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100杯を越えると証明書ももらえた。

 

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あんなにお椀があると圧巻だし、後片付けとか大変では……とか心配になるし、自分が大食いチャンピオンになったような錯覚にも陥るが、実際のところわんこそばのお椀に入る蕎麦はほんの一口である。15杯で一人前らしい。

大食い大会でイメージするわんこそばって、選手一人に蕎麦をつぎたす人が一人ついて、食べては足し食べては足しの永久機関の画なのだけど、実際にお店でわんこそばを食べるとおぼん1枚につき15杯のお椀が乗っていて、おぼんが空になると「少々お待ちください〜」と店員さんが補充しに戻ってしまう。蕎麦食べる→待機→蕎麦食べる→待機の繰り返しだった。そりゃそうか。

しかも、お店にはうちの家族&両親&妹一家の大所帯でいったので、最初は客5人に対して店員さん1人が蕎麦を継ぎ足していた。つまり15÷3なので、客1人に対して蕎麦が3杯継ぎ足されたら待機である。ツルッ、ツルッ、ツルッ。待機……。ツルッ、ツルッ、ツルッ。待機……だった。わんこそば、思ったより待つ。

蕎麦は美味しいので、待ってる間にもっと食べたくなる。もっと食べたくなるけど3口で終わってしまう。物足りぬ……普通に食べたい……とすら思う。忙しい現代、こんなに蕎麦に思いを馳せる時間があっただろうか。わんこそばは蕎麦のことを考える時間も込みのイベントだったのか。味に飽きないように、その都度薬味を変えてみてるトライ&エラーも楽しい。

しかしそんなのんびりした時間も、一人また一人と満腹で脱落すると話が変わってくる。

1ターン3杯で終わっていた蕎麦が、1ターン4杯になり5杯になり、遂に僕だけが生き残って、15杯の蕎麦が連続で継ぎ足されるに至った。蕎麦をかきこんでいると、後ろの店員さんが次のお椀を持って待っている。これTVチャンピオンで見た!と、この問題進研ゼミで見た!みたいな気分になる。

で、まだまだ蕎麦は食べられたのだけど、この「1on1」のシチュエーションがツラくなってきた。食べているあいだ、ずっと後ろで待たれてるのである。そういう仕組みのイベントなのだけど、なんだか急かされているようで、いま食べますから食べますからと内心とても焦る。やめよう。そろそろやめよう。で、101杯でやめた。満腹よりもプレッシャーに負けた。

 

「知らない人がずっと後ろに付いている」というイベント、そういえばわんこそば以外に無いんじゃないか。他のイベントでも知らない人を後ろに付けたら新しい扉が開くんじゃないか。飲み放題の居酒屋でずっと店員がビールを持って待ってるの。UNOでドロー4出されたとき後ろの人が無言で4枚くれるの。

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チームラボジャングルに行ってきた

渋谷ヒカリエでやっている「チームラボジャングル」に行ってきた。夜公演のArt Nightのほう。エラいことになってた。

www.teamlab.art

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一旦落ち着こう。一旦落ち着こう。一旦座ろう。ここ空いてる、ここ空いてるから。

終始エモいドンツクドンツクが鳴るなか、スポットライトが走り、大玉が舞い、デカいミラーボールの山車が出てくる。なんだなんだ。あのミラーボールがパカッと上下に割れてサザエさんとか出てくるのか。それともタマか。

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公演は1時間立ちっぱなしで、40代の我々は足腰に不安を抱えており、これはクラブやフェスで長時間の立ちっぱしに慣れている20代の祭りなのでは……と開始30分くらいで心が折れ始めたりしたのだけど、こういうのはその場でノラないと損かもと思い直し、黒装束に狐の面みたいなのをかぶったスタッフに煽られながら、後半はパンパパンヒュ〜とか飛んだり跳ねたりした。跳ねると「カキーン!」とか鳴るトランポリンとかあったので跳ねたら、着地に失敗して知らないおじさんにぶつかったりした。

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終わった後は飲みに行き、なんだか夢に出そうと話していた。無数のボールが跳ね、無数のスポットライトが走り、仮面を付けたスタッフが踊るのだ。起きたら絶対寝汗でビショビショだと思う。

「ここは笑うところです」という叱責

小1息子とトミカ博に行ってきました。みなとみらいはピカチュウ大量発生チュウで、ピカチュウのパレードにも偶然遭遇しました。かわいい。

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パレードを見終わった小1息子の第一声は「16匹いた」だった。冷静。

クイーンズスクエアで見た大道芸で気になったこと。かなりベテランの方で、一人でトークしつつ「ここは笑うところ」「笑ってもいいんですよ」と何度も念を押しながら芸を見せていた。

「ここは笑うところです」には、「僕はこれでみんなが笑うと思っていたんですよね。でも笑いは起きませんでした。トホホ…」という「自虐」の働きがある。「洒落にならないことに見えますが本人は気にしてません」という意味で使われることもあるだろう。

ただニュアンスを誤ると「ここは笑うべきところなのに皆さん笑わないのはおかしくないですか?」と、自分が滑っただけなのに観客へ責任を押し付けてしまうことになりかねない。観客は意地悪で笑わないわけじゃないし、強制した笑いは結局「ハハハ…」という力の無いものになる。説明会や講義などで壇上に立った偉い人がツカミに失敗して放つ「ここは笑うところです」は往々にしてこんな感じになってしまう。

あの大道芸人さんは終いには「笑えー!」と強い言葉を放ったり、「日本のお客さんってこうなんだよね」と他の国と比べたりしていた。こちらとしてはますます殻に入ってしまう。大道芸自体のスキルはすごくて、最後まで見ておひねりを入れたくらいだったので、なんだか笑えないのは僕のせいな気がしてモヤモヤしながら帰った。

フジテレビ「Muscat」で書いていること

先日、フジテレビのオウンドメディア・Muscatに「めちゃイケ」のコラムを書きました。

ネットニュースでは何かといつ終わるのかと煽られるめちゃイケ、今年に入ってからまた面白くなってきたんですよね。最近観てない人に変化を伝えなきゃ!と思って書いたのでした。

Muscatは今のところ月1ペースで書いてます。最初お話をもらったときは、「ひょうきん族」や「カノッサの屈辱」など、過去の名バラエティを振り返るコラムにするという案もあったんですが、思い直して「いまのフジテレビバラエティで面白いところを書く」ということにしました。

確かに何かと低調なフジテレビ。こりゃちょっと…という動きがあることもありますが、全部が全部そうじゃない。ネットニュースでも「その通りだなぁ」という指摘もある一方、「言いがかりでは?」「それを言ったら他局の○○はどうなの?」みたいな叩き方のものもある。「あそこは何を言ってもいい」と思われてるならちょっと悔しくて、過去の遺産よりも今の面白さを伝えたかったんです。

ただ公式で「褒め」をやるのはなかなか難しくて、ただただ「面白いんじゃ〜」とだけ言うのはヨイショじゃんみたいになっちゃう。できるだけファクトを入れつつ、切り口を保ちつつ、批評の末に「それは面白いね」と思ってもらえるように…気をつけて書いてるつもりなんですけどどうかな…(やっぱりまだ「面白いんじゃ〜」成分が高すぎるかな…という反省もあり)。フジテレビ広報の懐も深くて、公式だけど他局の番組名を挙げてもオッケーなんです。せっかくいただいた機会なので活かしたい。