この世の全てがパロディだったらいいのに
「みなさんのおかげでした」最終回を録画で。最後の『情けねぇ』のかっこよさ…。「バラエティを/滅ぼすなよ」「フジテレビを/おちょくるなよ」の刃の矛先は、他ならぬフジテレビに向いている気がした。
— 井上マサキ(INO) (@inomsk) 2018年3月22日
『とんねるずのみなさんのおかげでした』が終わり、以来ずっと頭の中で『情けねぇ』が流れ続けている。ウォウウォウォウ。
最終回の放送前、ネットニュースでとんねるずの二人が歌うことは知らされていた。その時なんとなく『一番偉い人へ』を歌うような気がしていた。タイムラインを見てると他にもそう思っていた人がいたみたい。
でもよく考えると『一番偉い人へ』は、閉塞感を抱えながら「一番偉い人」に「俺たちは いま何をするべきか」と問いかける歌なのだ。「もっと大切な何かを教えてくれ」と問いただす歌なのだ。
『一番偉い人へ』がリリースされたのは1992年9月で、とんねるずの2人は30歳。それから26年経って、今56歳だ。その年月で積み上げたものは大きく高く、自分が何をするべきか、一番偉い人へ聞く必要はもはやないだろう。
『情けねぇ』は1991年のリリースで、2人はまだ20代。20代のとんねるずが大人たちを「情けねぇ」と歌った文脈そのままに、50代のとんねるずはテレビバラエティを取り巻く状況を「情けねぇ」と叫んだ。「芝居じみた正義さ」と歌いながら拳を振り上げた。
…なんてことを思いつつ、ただ単純に画面の中の二人がかっこよかったなぁ…と何度も反芻している。なんかもう、とんねるずが引退しちゃうみたいな寂しさだ。この世の全てがパロディだったらいいのに。