Pepperがうなだれるのには必然性がある

Pepperがうなだれているじゃないですか。

閉店後のショーウィンドウの奥で、家電量販店の片隅で、携帯ショップの店頭で、電源が切れたPepperがうなだれているじゃないですか。

向かいのホーム、路地裏の角、こんなとこにはいないんだけども、うなだれている姿は脳裏に残ってるじゃないですか。白い頭(こうべ)を垂れ、腕をだらんと垂らし、なんならちょっと猫背になっている気もする、電源が切れたPepper

でもあれ、よく考えてみたら、電源オフの時にわざわざうなだれるように設計してあるんですよね。「うなだれる姿勢」になって終わるようにしてある。あぁやってうなだれているから「あ、いま話しかけちゃダメなんだな」「機能を停止しているんだな」って一発でわかる。

あれが直立不動のまま機能停止していたらどうなっただろう。

白い後ろ姿を見かけて、あ、Pepperだと気づく。前に回り込んでみると、目に生気が宿っておらず、ピクリとも動かない。機能停止という発想に至る前に「死」の文字が浮かぶ。

うなだれていれば目がどうなっているかもわからない。なんならちょっと居眠りしているようにも見える。人の形をしたロボットは、動かない間も人を踏襲するのだなと思う。