偉人生ゲーム

どんな偉人の言葉でも、末尾に「2マス戻る」とかつけると人生ゲームのマス目っぽくなる気がしている。偉人のテンションも数値化されてわかりやすいのではないか。

 

・翼よ あれがパリの灯だ(2マス進む)

・もっと光を!(3マス戻る)

敵は本能寺にあり(5マス進む)

・パンが無ければケーキを食べればいいじゃない(一回休み)

・お前のものは俺のもの 俺のものは俺のもの(全員から1万ドルずつもらう)

・ブルウタス、お前もか(ふりだしに戻る)

・賽は投げられた(サイコロをもう一回振る)

 

最後のはそのまんまだし、うっかりジャイアンが混ざった。

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肉が焼けている現場から生中継

週末、カミさんの誕生日がめでたいので家族でご飯を食べに出かけた。行くつもりだったお店が1時間待ちも辞さぬほど混雑していて、正直舐めてましたすいませんでしたというハプニングもありつつ、ステーキハウスに流れ着いた。

席に案内されるまで待っていると、客席にオープンになった厨房で肉がジュウジュウ焼かれているのが見える。時折、滴り落ちた油から火の手があがる。セックスアピールならぬ肉アピールに、入店直後は子どもたちも「肉!」と興奮を隠せない様子だったが、すぐにさっき買ったばかりのMinecraftの攻略本を貪るように読んでた。エレベーターが作れるって!とかTNT爆弾が!とか言ってる。Minecraftは子ども達のほうがすっかり詳しくなって、もう何のゲームかさっぱりわからない。豚にエサをやったりジェットコースターを作ったりしている。なにがなにやらだ。いとうせいこうノーライフキング』みたいなことになってる。

で、席に案内され、メニューの焦げ茶色の占有率におののいていると、天井から吊されたモニターが目に入った。

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肉が焼かれている。

さっき厨房で焼いてた肉のライブ映像だ。いま座っている客席から厨房は見えないから、「厨房が見えなくて不安かもしれませんが、今もこうして肉を焼いております!」と安心をお届けしてるようだった。大丈夫ですよ知ってますよ。メニューに載っている肉の写真と、天井から生中継される肉の映像。二次元の肉に上下から挟まれていた。

肉に対する自己顕示欲の高さに怯むも、お店の売りなのだからこれくらいは仕方あるまい、とジュウジュウと肉が焼ける音(厨房は見えないけど音はバンバン聞こえる)に耳を傾け、改めてメニューを眺めようとすると、モニタの映像が切り替わった。

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サラダバーのライブ映像だった。

確かに、確かにこの店のサラダバーはすごかった。種類がめちゃめちゃ豊富な上に、ティラミスや生八つ橋まであった。サラダとはなにかという概念も壊れた。だが落ち着いてほしい。肉と野菜が頭上で交互に現れるのだ。知らない人がナスの揚げ浸しを取り分けていたりするのだ。落ち着いてほしい。これから食べる。食べるから。

このままドリンクバーでコーラとカルピスを混ぜている客や、レジでおつりを数えている店員や、料理を待っている僕の姿までうっかり映るかと思った。ちなみにコーラとカルピスを混ぜていたのはうちの小1息子だ。美味しいの?と聞いたら「あまい!」とニッコリ笑っていた。よかったね。 

ノーライフキング (河出文庫)

ノーライフキング (河出文庫)

 

 

地頭の無さで死んでしまう

先日マミーに襲われて死んだことを書いた記事が公開されました。くやしい。

www.excite.co.jp

リアル脱出ゲームを初めてプレイしたのは「廃倉庫からの脱出」(2010年)。そこから20公演ほど参加して脱出率70%くらい。といっても、これはほぼ誘ってくれる友達のお手柄である。ありがたやありがたや。

リアル脱出ゲームはストーリーに絡めた謎解きが本当に上手で、ただパズルを解くだけでは脱出できない。序盤はいくつもパズルを解いていき、クライマックスでは「この世界でこの場面になったらこの人はどんなことを考えるだろう」と物語世界の中でロジックを立てないと解法に至らない。これが全然できない。「なんすかね……」って固まっちゃう。

自分で言うのは何なのだけど、序盤のパズルの小問はめっちゃ早く解ける。これはある程度やればわかるパターンもあって、例えば7つ要素があったら曜日かドレミか虹だなぁ、とか、「これ進研ゼミでやったやつだ!」的に応用して解けることがある。あるのだけど、終盤の「物語世界のロジック」になるとパターンが無いので途端に弱い。やっぱりAIには人間の心まではわからないのね、みたいなことになる。AIか。Pepperか。ロボコン0点か。

「パターン学習を数多くこなし、出題された問題をパターンに当てはめる」という解き方は、受験勉強で培ったものだと思っている。数学なら公式を問題の中でどう扱うかある程度パターンがあるし、過去問をあたればどんな形式の問題が出るかわかる。記憶によるところが大きい。

対して、リアル脱出ゲームの終盤で必要なのは「想像力」であり「思考力」だ。前例のない事例に対峙する力だ。ここを鮮やかに閃いて突破できる人を本当に尊敬するし、これが地頭の良さってやつなんだろうなぁと思う。

大喜利も割とそういうところがあって、パターンで学習してセオリーを作っている節がある。なので、そもそもの発想がぶっ飛んでる人をすんごい尊敬する。学習したパターンがそもそもぶっ飛んでいるのか、学習なんてしゃらくさくてそれがセンスなのか。

リアル脱出ゲームで脱出できないと本気で悔しいし、どうして思いつかなかったんだろうってすごい後悔するし、あまつさえ家に残してきた妻と子どもに申し訳ない……くらいに凹むこともある。こんなに凹むのは手に入らない「地頭の良さ」に対する憧れと嫉妬なのかもしれない。つらい。神よ我に地頭を。

10th Anniversary リアル脱出ゲームのすべて

10th Anniversary リアル脱出ゲームのすべて

 

 

花言葉だっていつまでも昔のままじゃない

パイナップルの花言葉は「完全無欠」だそうだ。なにがどうなってそんな言葉がついたのだ。パイナップル一切れで1日分の栄養素が賄えるのかもしれないし、硬い皮はなんでも貫く矛すら通さないのなもしれないし、部活も勉強も恋愛も同時にこなせるのかもしれない。そんなハードルの高い言葉を易々と名付けるほうも名付けるほうだと思う。本当に完全で無欠なものを知っているのか。なに食べても「神!」って言ってそう。

花言葉っていつ始まったのかわからないけど、そこそこ昔からずっと変わらないフレーズのままそこにある。でも品種改良とかで最近できた花とかはどうしてるんだろう。赤いバラが「情熱」で、黄色いバラが「嫉妬」だったりするから、色違いが生まれても新たに花言葉が必要になったりしないのか。花言葉にもカラバリがあるんじゃないのか。

せっかく2017年に新たに花言葉をつけるなら、スマホ世代のカルチャーも盛り込んでおきたい。美しい花をプレゼントされて喜ぶ女性を前に、花言葉を一言添えるのだ。

 

花言葉は「既読」です。

花言葉は「顔を交換しよう」です。

花言葉は「FF外から失礼します」です。

花言葉は「あなたに花をプレゼントした男性は、こんな花もプレゼントしています」です。

花言葉は「すみません、よく聞こえませんでした」です。

 

最後のはSiriによく聞き返されるやつだ。いつも「こちらこそすみません」って恥ずかしくなる。ちなみに「恥じらい」が花言葉なのは芍薬(シャクヤク)だった。立てばシャクヤク座ればボタン、歩く姿はユリオカ超特Q

 

 

 

モヤモヤしたものをモヤモヤしたまま持っている人

エッセイを書く人って、過去におぼえた感情を、その形のまま持ち続けてるのがすごい。いや、なんだろうな、後になってから「あのモヤモヤはこういうことだったのでは」と考察するのだろうけど、「あのモヤモヤ」を「あのモヤモヤ」のまま、考察の段階まで持ち続けているのがすごいと思うのだ。 

集団生活で納得いかないことがあったとき、コミュニケーションがうまくいったとき、恋愛感情の高ぶりや、配偶者に対する不満、仕事における気づきと感謝、もろもろひっくるめて、そのときふわっと感じたモヤモヤは、その場で「ムカつく」「いい感じ」「なんかやだ」といった短い言葉にサンプリングしてしまいがちだ。「こういう理由でこうだった」と、すぐに原因を割り当てて満足してしまうこともあるだろう。

特に第三者に伝えるときは、10感じたことを1にギュッと圧縮して伝送効率を高めてしまう。短時間で伝わればそれが「わかりやすい」になる。でも圧縮の過程で漏れちゃうことのほうが多い。誰かに悩みを相談するときなんかも、わかりやすく伝えてしまったゆえに、アドバイスを受けても「なんか違う」ってことになってしまったりする。

その場で短くサンプリングせず、単純に原因を求めず、わかりやすく耳障りのいい言葉に落とし込まず、モヤモヤしたものをモヤモヤしたまま保持し、モヤモヤした状態で伝える努力を怠らず、それでいて誰かに伝えることができるって、本当に難しいことだし、すごいことだ。エッセイを書く人すごい。

 

自分のことを書くのが苦手だなぁ、と最近特に思うようになっている。レビューやインタビューは対象がある。自分のことを自分の言葉で書くのは書き手と対象が一緒なので、尻尾を食べる蛇みたいに食い合ってる感じがしてどうにも居心地が悪い。でも表現のひとつとして、自分の言葉で自分を語る、という力も欲しいなと思うのだ。

ひとつのコツとして「わかりやすく書きすぎない」ってのがあるのかなぁ。所詮わからないものね。自分なんてね。